IFRSのポイント
column ifrs
第1回:日本におけるIFRSの導入
世界各国でIFRSが導入されるに従い、日本の会計基準の国際的調和化が問題となってきました。このため、2007年に、日本の会計基準の設定主体であるASBJ(Accounting Standards Board of Japan、企業会計基準委員会)は、2011年6月までにIFRSとの差異を段階的に解消するという「東京合意」を公表し、その後多くの会計基準をIFRSに合わせていくための設定及び改訂(コンバージェンス(収斂)といわれています)が行われてきました。
また、2010年3月期以降は、一定の要件を満たした上場企業はIFRSを任意適用し、連結財務諸表を作成することが認められるようになりました。
その後の日本においては、IFRSの適用社数を増やすために、様々な取組みがなされました。
2013年10月にはこれまでIFRSを任意適用するための要件であった、「国際的な財務活動・事業活動を行っていること(外国に資本金が20億円以上の連結子会社を有していることなど)」が撤廃され、IFRSの適用要件が大幅に緩和されました。また、上場時からIFRSを任意適用することも可能になりました。
また、2015年3月期以降の年度の決算短信においては、会計基準の選択に関する基本的な考え方の開示が求められるようになり、これもIFRSの導入を促進するための取組みと言えます。
さらに、経団連による「IFRS任意適用に関する実務対応参考事例(2014年1月)」や金融庁による「IFRS適用レポート(2015年4月)」の発行などもあり、IFRSの任意適用を促進するための様々な取組みが行われました。
このようなIFRSの導入促進への取組みにより、IFRSを適用済又は適用を決定している会社数は年々増加しています。