IFRSのポイント
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第2回:原則主義
IFRSは「原則主義」と言われています。「原則主義」とは大原則を会計基準で示すのみで、実際の会計処理の適用にあたっては会社(経営者)の判断が要求されるという考え方です。このため、原則主義においては、判断の目安としての数値基準や詳細な実務指針が示されることはありません。
極端な例で言えば、資産の減損について、
規則主義:時価が50%超下落したら、例外なく 減損
原則主義:時価が著しく下落し、かつ、回復可能性がなければ減損
一方、「規則主義」とは、会計処理がかなり具体的に規定されていて、議論の余地なく実施すべき会計処理が決定されるという考え方で、米国会計基準が代表的な基準です。
IFRSが多くの国で統一的に採用・運用されるためにはそれぞれの国で異なる取引慣行や法制度にある程度馴染む必要があります。規則主義的な考え方を採用すると、その考え方が馴染まない国もでてくるため、多くの国で採用されやすいようにIFRSは原則主義を採用しています。
IFRSは原則主義のため、数値基準などは定められていないため、企業は実態に合わせて会計方針を設定する必要があります。