IFRSのポイント
column ifrs
第5回:のれん
日本の会計基準とIFRSの差異のなかで、実務上最も大きな影響を与えるのがのれんの会計処理と言われています。
日本基準では、のれんは他の企業の買収のコストであり、原則として計上後20年以内の期間の均等償却により費用化が行われることになります。なお、減損が必要になった場合には減損処理も実施します。
一方、IFRSではのれんを超過収益力ととらえ、資産としての価値が時の経過とともに減価するわけではないとされることから、規則的な償却は行われません。耐用年数や消費パターンに関して信頼性をもって決定することが困難なこともあります。
償却をしない代わりに、毎期減損テストを実施します。すなわち、のれんは将来キャッシュ・フローが流入する超過収益力であり、将来キャッシュ・フローの見積りが減額した場合には、のれんとしての価値が減少したものとして減損処理を実施することになります。